ICB-770 受信できないとのことでお預かりしました。


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強めの信号を受信しても、


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Sメーターは振れず、受信ができません。


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分解して点検します。

部品点数は少なめにてシンプルです。

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ハンダクラックなどを点検します。


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水晶発振子は金属ケース入りのものが使われています。

発振を点検するも異状ありませんでした。

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電解コンデンサーをオール交換しました。


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銀マイグレーションが進んだトランジスターを交換しました。

2SC710は不良になることで有名なトランジスターで、足が真っ黒です。

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トランジスターをオール交換しました。

検波ダイオードを交換しました。

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電源を入れてしばらくは良いのですが、受信感度が低下する症状が再発しました。

信号を追いかけてゆくと、フィルターでストップしていることが分かりました。

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フィルターの手前までは信号がきています。


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フィルターの後では信号が全く出てきません。

SSGより455Khzの信号を入れてみたところ復調が有り、明らかにフィルターがNGです。

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回路図ではここです。


Screenshot from 2021-11-25 20-23-49

ムラタのセラミックフィルターがNGです。

10,7Mhz

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交換用のセラミックフィルターです。


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受信感度が回復しました。

各コイルを感度が最大になるように調整しました。

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受信感度。

ー109dBm

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トランジスターの交換により、Sメーターの振れ方が変化しました。

最大受信にしてもSメーターが5で止まってしまいます。

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Sメーターの振れはQ5 2SC710 のエミッタ電圧によります。

Q5のトランジスターを2SC1815に交換したところ、エミッタ電圧が変わったのが原因です。

R12とR16のベースバイアス量を変えてみました。

結果は、バイアスのR16は変えないほうが良いことがわかりました。

Screenshot from 2021-11-25 20-24-29

R12をVRのタイプに交換しました。

メーター0点の調整において、持ち上がり方がどうなるかバイアスR16とのバランスを試行錯誤した結果、R16は交換しないほうが良いこととなったのです。
元々のトランジスター2SC710のhfeは300ほどで、手持ちのあった2SC828 hfe250と交換してみましたがバランスは良くありませんでした。
現在は2SC1815 hfe500が付いています(ECBの違いで取付方向は逆向きです)。

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カスタマイズです。

マイクアンプの信号経路のコンデンサーをオーディオ用に交換しました。

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オーディオ用コンデンサー MUSE

ポリエステルフィルムコンデンサー

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いちだんと良い変調です。


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Sメーターの照明をLED化しました。


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点灯確認。


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周波数。

27,144Mhz

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ロッドアンテナを伸ばした状態にて出力最大に調整しました。


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出力。

ピーク時0,5W以上です。

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スプリアス良好。


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電池ふた、スポンジがボロボロです。


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ボロボロと無線機の内部に落ちてしまうので剥がしました。


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現行の新機種にも負けない無線機です。

お楽しみください。

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