IC-R7000 ディスプレイが点かないとのことで、お預りしました。

光電管がまったく点灯しません。

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ディスプレイドライブICに供給される電圧がきているか点検。

5Vの電圧出力は正常でした。

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ディスプレイドライブICに入力される信号の有無を点検。

ドライブICまでは信号が来ています。

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こちらも同じくディスプレイドライブへの信号です。

正常に来ていました。

信号が来ているなら、その先のドライブICがNGかディスプレイ光電管がNGかのどちらかですね。

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ディスプレイユニット取り外し。


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光電管ディスプレイを点灯させる高圧トランスの部分です。

このトランスが異状発振していました。

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電解コンデンサーを全交換。

しかし、これだけでは異状発振は止まりませんでした。

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高圧トランスとインバーター回路

13.8Vをトランジスターのプッシュブルで発振させ、高圧トランスで昇圧してからディスプレイ光電管のヒータに供給するというからくり。

相当な負荷が掛かるところですが、ここが異状発振すると周辺の部品が逝ってしまいます。

トランジスターのプッシュブルとパラに入っているセラミックコンデンサーC14、C15及びC13、C16交換。
R38焼損のため交換。
ツェナーダイオードD3、D5、D4交換。

Screenshot from 2019-09-13 22:32:55
R38焼損

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ツェナーダイオード交換


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ツェナーダイオード交換


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セラコン交換前。

C14、C15及びC13、C16

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セラコン交換後。


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電源を投入するや、しばらくすると高圧トランスの鳴きが始まりヒドイ状態です。

ジージー言うノイズをばらまいています。

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トランスを取り外した状態。


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高圧トランス。

断線の点検はOKでした。

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Eコアと絶縁ボビンが干渉して振動していたことから、物理的におさえるようテレホンカードを小さく切って、コアとの間にクサビとして打ち込んでみました。

プラスチックのトランプ等なら使えると思います。

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このように隙間にクサビを打ち込み。


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グルーガンで固めました。


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これでOK、高圧トランスの鳴きは止まりました。


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ディスプレイ光電管取り付け部再ハンダ。


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フレキシブルケーブルに断線がありました。

端から数本までが断線状態です。

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端から数本までの断線を修復しました。


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ようやく正常に点灯しました。

やれやれです。。。。

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スピーカー音割れの原因は、メインユニットの電解コンデンサーC135の劣化です。

C135交換

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交換後。

FM放送で特定の局を受信したときに音が歪む原因は、フィルターの性能によるものです。

他の局が近い周波数または何らかのノイズ原など妨害波がある場合、音が歪んでしまうかも知れません。2信号特性の向上はIC-R8500のフィルターに交換する手があるらしいですが、付くかどうかは定かではありません。

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SメーターのバックライトをLED化しました。


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雰囲気を損なわないよう、電球色のLEDにしました。


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Sメーター調整。


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フルスケール +60dBになるようにします。


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CENTER メーター調整。


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受信感度。

145MhzのFMで、ー121.6dBm (SINAD)

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IC-R7000のロゴマーク。

初期型ですね。

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エアバンドも良く聞こえます。

名機な受信機ですね。

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