KOI タイガー

片チャンネルの音が出ないとのことでお預かりしました。

KOIは、米BOSEでエンジニアとして活躍し、101や301、501などの名機を手掛けた山本修士氏が独立して設立したメーカー。BOSE時代と同様に「コンパクトでも大型のシステムに負けない、ハートに響く再生音」を開発コンセプトにしている。
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標準価格:270,900円のオーディオです。


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入力は3系統、ライン、AUX、オーディオが選択できますが、どの端子に接続しても片チャンネルから音が出ません。

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パターンと配線の断線を点検。


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片チャンネルの音が出ないとのことで、オーディオICの破損を疑います。

TDA7560が使われていました。

カーオーディオ用の4チャンネルICです。
45W×4   クラスAB

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TDA7560  PINヘッダの状況。

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AGで1Khzのオーディオ信号を作り、上記回路のINから入力してみました。


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各IN1・IN2からオーディオ信号を入力します。

両チャンネルとも音が出たため、オーディオICの異常はありません。

回路図もないため手探りの状態です。

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回路が断線している場所があると予想し、テスターで導通を確認しながらコネクター類のハンダをやり直しました。

コネクター類は全て差し直し、接触不良を確認します。

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AC13Vで動作する仕様で、整流用のブリッジダイオードが見えます。

主電源はウーハーボックスからケーブルで供給されます。

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ウーハーボックス。


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台形のスピーカーコーン。

歌手が歌っている時の口の形をしているそうです。

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ダイキャスト製のスピーカーボックス。

ドッシリと重たいです。

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BOSEから独立した研究者が作った製品ですので、コンセプトはどことなくBOSEに似ていますね。

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スマートホンに保存したMP3音楽ソースを再生してみました。

あ!っとインパクトのあるパンチが効いた音です、真空管アンプのように温かみがあるのに音が力強い感じです。

硝子で作られたエンクロージャーのスピーカーに近い音かなあ。

驚いたのは無信号時のノイズがまったく出ないことです、ボリュームをMAXにしても無音のままで、デジタルアンプとはこういうものなのでしょうね。

クリアーでいい音ですね、なるほど27万円だけのことはあります。

この音を聞く機会があったことは、修理に携わって良かったと思います。

しばらく聴いていましたが、終わったあとに晴々とした感じになりました。

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