FT-736 エンコーダ不良のためお預かりしました。

メインエンコーダ周波数が変わらず動作しません。

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コントロールユニットのロジックICを点検。

ダイヤルエンコーダからの信号を正しく処理しているでしょうか。

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IC ボルテージチャートにより、各ICのピン足に出る電圧が正しいか確認します。


Screenshot from 2020-12-02 01-07-27

理論回路にそって点検すると、チャートと合わないところがありますが、ロジックICの異常ではないようです。


Screenshot from 2020-12-02 01-08-58

メインダイヤルエンコーダ。

接点復活剤をふきかけた跡があり、油だらけになっていました。

CRCなどを吹きかけて復活することはなく、ご法度です。

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エンコーダを取外して油を拭き取りました。


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エンコーダを分解しました。

光学式のタイプです。

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発光部のフォトダイオード(赤外線LED)と、受光部の部品です。


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フォトダイオードが発光している状態は人間の目では見えません。

このように、デジタルカメラで撮影すると光っているのが確認できます。

光量がだいぶ弱っています。

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フォトダイオードを取外しました。

この部品メーカーに在庫は無く、さがしてもありません。

エンコーダユニット自体も全く無いです。

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光量が弱っていますが、テスターで測るとダイオードとしてのデータは取れます。


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こちら、受光部の半導体部品です。

フォトダイオードと同じ形をしています。

LED等フォト半導体に逆に光を当てると、逆変換によって起電力が発生(正確には吸収といい、自分が発光する光と同じ色のときの吸収が一番強い。)します。

太陽電池はこれと同じ原理です。

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テスターではキャパシタとしてデータが取れました。


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フォトダイオードはこんなところにあります。

マウス。

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昨今の光学式ではない、ボール式のマウスです。


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分解です。


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矢印の部品がフォトダイオードです。

この部品を移植します。

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ボール式マウスは光学エンコーダなのです。

スバラシイ!

ボール式のマウスは、もう世の中から無くなってしまうので、フォト部品の保守のために手に入れておいたほうが良いでしょう。

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部品を移植しました。

光量アップです。

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組み立てました。


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ロット違いのFT-736には違ったエンコーダが付いています。

これも光学式エンコーダです。

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軸受けの太さが異なっており、そのままで付くわけではありません。


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周波数も変化するようになりました。


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バックアップ電池を交換しました。


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電圧はほとんど無くなっていました。


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ソケット式に交換しました。


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Sメーターの照明をLED化しました。


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点灯確認。


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周波数調整。


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さすがはTCXOです、周波数はとても安定しています。


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FMデビエーション調整。

規定の4.5Khz

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出力

145Mhz 13W

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433Mhz 20W


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スプリアス良好。

145Mhz

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433Mhz


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受信感度。

ー142.0dBm (SINAD)

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ー141.2dBm (SINAD)


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高級機ですね。


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