IC-208 不調とのことでお預かりしました。

飛びも受けも良くないとのことです。

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Fズレから確認します。


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お預かりした時点でのFズレは、それほどでもないです。

メーカーでの調整ではOFFバンドにならないように、どの無線機もこのくらいになっています。

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433Mhzも、それほどでもないです。


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IC-208は内部にコイルやトリマなどは無く、調整するところは一切ありません。

調整はソフト的にコマンドにて行います。

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コマンド調整モードに入るためには、サービスマニュアルによれば、マイクモジュラ−ジャックの2番と7番の間に抵抗を付けることとなっています。

この抵抗値2.2kΩは間違いで、正しくは22kΩです。

ここで皆、調整モードに入れず悩んだ方もいるのではないかと思います。

IC-208のサービスマニュアルは、これ以外にも誤記が多く注意が必要です。


Screenshot from 2020-12-04 16-45-21
8ピンのモジュラ−ジャックを用意して


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2番と7番の間に抵抗を付け、スイッチで切断できるような治具を作りました。


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SET+BAND同時押しで電源を入れると、コマンド調整モードとなります。

以下、全ての調整はコマンドにて行いCPUに書き込みます。

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オーナー様から指摘のあったFズレを調整。


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FMデビエーション調整。

規定の4.5Khz

変調もバッチリかかります。

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スプリアス良好。

145Mhz

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433Mhz


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送信出力低下していました。

5Wしか出ていなかったところ、20Wに調整。

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受信感度

Fズレ解消により、

ー139.5dBm (SINAD)

レピーターもよく聞こえるようになりました。

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ー134.9dBm (SINAD)


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Sメーター調整。


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周波数ダイヤルが固くて回しずらいです。

チャタリングもあり、周波数が飛んでしまいます。

分解しました。

接点がだいぶ汚れていますね。

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ダイヤルが固い原因は、金具の曲りです。


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このように、ダイヤルが強く押されたりすると金具が曲がってしまいます。

無線機を落下させたのでしょうか。

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金具の曲がりを平らに修整しました。


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接点を洗浄しました。


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接点用コンタクトグリスを塗布しました。


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これでOK。

周波数の飛びもなくなりました。

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送信・受信ともに、基本性能は引き出しました。

使ってみて下さい。

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