人工衛星GPSには100万年に1秒以下という精度のセシウム原子時計が搭載されています。
GPSからの電波には正確なタイム情報が含まれており、無料で降り注いでいます。
今回は、GPSの電波を受信し、セシウム原子時計による正確な10Mhzを生成して利用できるような機器を製作しようということです。
ublox NEO-6M GPS受信ユニットです。
1PPSという1秒に1回の周期で点滅するLEDインジケータです。
1PPSタイムパルスを取り出せるように、リード線をハンダ付けします。
GPSユニットをUSB経由でパソコンにつなぐためのシリアル変換基板です。
さんざん実施してもダメみたいで、まさか!の初期不良でした。
やれやれ、時間が勿体無い。
自分のやり方が悪いのか、ケーブルや回路の断線なのか、GPSアンテナか、パソコンが不良なのか、これは使えないんじゃないの?と結論づけるまでには、いろいろ時間を費やします。
ICが不良との結論です。
付属のGPSアンテナとGPS受信ユニットとシリアル変換基板を接続したところです。
シリアル変換基板初期不良のときの画像です。
やたらな基板より、枯れたICのFT232RL搭載が安心です。
返品交換しました。
ピンヘッダをハンダ付けしました。
ブレッドボードにて仮組し、パソコンに接続して動作を確認します。
今度は大丈夫です、人工衛星をたくさん捉えました。
穴あき基板に組んでゆきます。
1PPSのタイムパルスも出力しました。
このタイムパルスの設定をu-centerというソフトでパソコンにて1Hzから10Mhzに書換えます。
アンテナも何も付けない状態でユニットからはスタンドアロンで10Mhzが出力されています。
このままでも基準信号としては使えますが安定度はなく、ジッタがあります。
74シリーズ、ヘックスインバーターIC
74HC04N
このICを通して、デジタル信号処理をします。
インバーターICを通したところです。
重なった波形がいくつも見えます。
インバーターICを通過した波形は5Vの矩形波です。
アナログオシロとデジタルオシロにはどちらも一長一短があります。
波形の観測という点ではアナログオシロが良く見えますが、ノイズを見るにはデジタルですね。
6個入り回路のうち直列に3回路を通過、うち1回路にはLEDのインジケータを付けてみました。
残りの回路はアース処理です。
インバーターIC通過直後のテスト。
ここで、シュミットトリガIC
74HC14 も試してみたのですが、波形の綺麗さなどには全く変化がありませんでした。
74HCU04 アンバッファのものです。
あまり変わりませんでした。
TC4069UBP です。
いちばん波形がキレイに整いました。
これを使うことにしました。
バンドパスフィルターに使用するAMZコイルです。
7mm角 10.7MHz 2個使用。
バンドパスフィルター通過後のテストです。
コイルを調整すると波形が整ってきます。
キレイなサイン波になりました。
波形は整いましたが、スプリアスやノイズはまだ含まれています。
出力は4系統にしました。
バンドパスフィルターの前段に抵抗を取り付けました。
フィルターの同調に関係あり、多少なら出力調整が出来ます。
効果が薄く、最終的には取外しました。
調整をくり返し、 V p−p で4Vくらいになりました。
アンテナコネクタを取り付けました。
BNCにしておくと後で都合が良いです、変換コネクタの種類がたくさんあります。
出力に使用するアイソレーショントランス用のトロイダルコアです。
電池は大きさの比較用。
LANケーブルの線を使用。
ヨリ線ではなく単線です。
緑とオレンジ色にしてみました。
3ターン巻
10.7MhzのAMZコイルを使ってもOK、トランスの構造としては同じことです。
ケースの加工です。
出力4系統。
電源の配線。
外付けGPSアンテナ。
BNCコネクタ化しました。
マザーボード。
壊れにくい部品は取り付けたままです。
部品群です。
パーツ全体です。
組み付け。
アイソレーショントランス。
測定器から完全分離します、高価な測定器を壊されたら大変です。
医療用機器など、ノイズの混入が誤作動となるところで採用されています。
モバイルバッテリーで稼働するので移動もOKです。
最近のアマチュア無線機には、10Mhzのリファレンスが使用できるものがありますね。
火が入りました。
出力はp−pで1Vくらい。
アンプで増幅しないと少し足りない機器もあるかと思います。
純正ソフト u-center
GPSロックしました。
監視・モニター用にはこちらのソフトが軽くて良いです。
GPSロックによる正確な10Mhzの出力です。
スペアナのマーカーカウンターでも10MHzピッタリです。
+1.17dBm です。
SGから信号を出力。
145Mhz
GPSロックの10Mhz出力を、周波数カウンターのタイムベースとして使用する。
多少の揺らぎがあり、100Hzまでが変動してノーシグナルエラーとなります。
やはり、増幅アンプが必要ですね。
10Mhzを生々することはできましたが、温度保障型の水晶発振器と組み合わせて分周比較制御をして使用する例が大半です。
ジッターも多く、このままで測定器のタイムベースとして使用するには問題が残ります。
周波数カウンターにこの10Mhzを入力し、周波数調整ADJにて内蔵発振器を時々キャリブレーションを取る用途で使うなら使い道があると思います。
構想から部品を選定し測定しながら作った自作品、性能と限界を分かった上で使う分には、これほど重宝する規準器もないと思います。
追加記事
4系統それぞれにFETとトランジスタ1石のアンプを付けました。
独立してレベル調整ができるようにしました。
アンプは、使う場所だけに電源を供給します。
周波数カウンターの較正に使ってゆこうと思います。
アンプ通過後の波形もおおむね安定しています。
周波数は10Mhz、デューティー比は約50%、p-pで0.5Vに調整。
周波数カウンターを較正。
無線局でも測位システムでもない自作の基準器は、電波法の観点からはどうだろうか。
これでも立派な10Mhzの発振器であって、アンテナを付けて変調をかければ放送ができてしまいます。
製作中に測定したスペアナの計測では+1.17dBmでしたが、約1.3mWです。
常時運転では、これよりもう少し絞ったp-p0.5Vですが、どのくらいの出力になるでしょうか。
微弱な電波は普通のパワーメーターでは計測ができません。
RFデジタルパワーメーターです。
ー0.51dBmと表示され、約0.9mWです。
特定小電力無線機のパワーが10mWですが、その1/10という結果です。
しかし、1mWをなめてはいけません。
特小無線機での双方向連続通話でのパワーが1mWですね。
アンテナを付ければ数キロは飛ぶものと思われますが、しかし、これ以下では実用にならないのも事実です。
アンテナは無いので隣の部屋では信号を受信できませんでしたが、1メートル以内では59です。
実験、研究、測定等に使用している標準信号発生器(いわゆるSSG)はもっと大きい信号を発生いたします。
配線図
(クリックで拡大)
希望により配線図を載せます。
GPSユニット ublox NEO-6M
シリアルUSB変換 MFT232RL
ロジックIC TC4069UBP
FET 2SK19GR (2SK192AなどでOK)
TR 2SC1815
BPF AMZ 10.7Mhz
トロイダルコア FT-37-#75
GPSからの電波には正確なタイム情報が含まれており、無料で降り注いでいます。
今回は、GPSの電波を受信し、セシウム原子時計による正確な10Mhzを生成して利用できるような機器を製作しようということです。
ublox NEO-6M GPS受信ユニットです。
1PPSという1秒に1回の周期で点滅するLEDインジケータです。
1PPSタイムパルスを取り出せるように、リード線をハンダ付けします。
GPSユニットをUSB経由でパソコンにつなぐためのシリアル変換基板です。
さんざん実施してもダメみたいで、まさか!の初期不良でした。
やれやれ、時間が勿体無い。
自分のやり方が悪いのか、ケーブルや回路の断線なのか、GPSアンテナか、パソコンが不良なのか、これは使えないんじゃないの?と結論づけるまでには、いろいろ時間を費やします。
ICが不良との結論です。
付属のGPSアンテナとGPS受信ユニットとシリアル変換基板を接続したところです。
シリアル変換基板初期不良のときの画像です。
やたらな基板より、枯れたICのFT232RL搭載が安心です。
返品交換しました。
ピンヘッダをハンダ付けしました。
ブレッドボードにて仮組し、パソコンに接続して動作を確認します。
今度は大丈夫です、人工衛星をたくさん捉えました。
穴あき基板に組んでゆきます。
1PPSのタイムパルスも出力しました。
このタイムパルスの設定をu-centerというソフトでパソコンにて1Hzから10Mhzに書換えます。
アンテナも何も付けない状態でユニットからはスタンドアロンで10Mhzが出力されています。
このままでも基準信号としては使えますが安定度はなく、ジッタがあります。
74シリーズ、ヘックスインバーターIC
74HC04N
このICを通して、デジタル信号処理をします。
インバーターICを通したところです。
重なった波形がいくつも見えます。
インバーターICを通過した波形は5Vの矩形波です。
アナログオシロとデジタルオシロにはどちらも一長一短があります。
波形の観測という点ではアナログオシロが良く見えますが、ノイズを見るにはデジタルですね。
6個入り回路のうち直列に3回路を通過、うち1回路にはLEDのインジケータを付けてみました。
残りの回路はアース処理です。
インバーターIC通過直後のテスト。
ここで、シュミットトリガIC
74HC14 も試してみたのですが、波形の綺麗さなどには全く変化がありませんでした。
74HCU04 アンバッファのものです。
あまり変わりませんでした。
TC4069UBP です。
いちばん波形がキレイに整いました。
これを使うことにしました。
バンドパスフィルターに使用するAMZコイルです。
7mm角 10.7MHz 2個使用。
バンドパスフィルター通過後のテストです。
コイルを調整すると波形が整ってきます。
キレイなサイン波になりました。
波形は整いましたが、スプリアスやノイズはまだ含まれています。
出力は4系統にしました。
バンドパスフィルターの前段に抵抗を取り付けました。
フィルターの同調に関係あり、多少なら出力調整が出来ます。
効果が薄く、最終的には取外しました。
調整をくり返し、 V p−p で4Vくらいになりました。
アンテナコネクタを取り付けました。
BNCにしておくと後で都合が良いです、変換コネクタの種類がたくさんあります。
出力に使用するアイソレーショントランス用のトロイダルコアです。
電池は大きさの比較用。
LANケーブルの線を使用。
ヨリ線ではなく単線です。
緑とオレンジ色にしてみました。
3ターン巻
10.7MhzのAMZコイルを使ってもOK、トランスの構造としては同じことです。
ケースの加工です。
出力4系統。
電源の配線。
外付けGPSアンテナ。
BNCコネクタ化しました。
マザーボード。
壊れにくい部品は取り付けたままです。
部品群です。
パーツ全体です。
組み付け。
アイソレーショントランス。
測定器から完全分離します、高価な測定器を壊されたら大変です。
医療用機器など、ノイズの混入が誤作動となるところで採用されています。
モバイルバッテリーで稼働するので移動もOKです。
最近のアマチュア無線機には、10Mhzのリファレンスが使用できるものがありますね。
火が入りました。
出力はp−pで1Vくらい。
アンプで増幅しないと少し足りない機器もあるかと思います。
純正ソフト u-center
GPSロックしました。
監視・モニター用にはこちらのソフトが軽くて良いです。
GPSロックによる正確な10Mhzの出力です。
スペアナのマーカーカウンターでも10MHzピッタリです。
+1.17dBm です。
SGから信号を出力。
145Mhz
GPSロックの10Mhz出力を、周波数カウンターのタイムベースとして使用する。
多少の揺らぎがあり、100Hzまでが変動してノーシグナルエラーとなります。
やはり、増幅アンプが必要ですね。
10Mhzを生々することはできましたが、温度保障型の水晶発振器と組み合わせて分周比較制御をして使用する例が大半です。
ジッターも多く、このままで測定器のタイムベースとして使用するには問題が残ります。
周波数カウンターにこの10Mhzを入力し、周波数調整ADJにて内蔵発振器を時々キャリブレーションを取る用途で使うなら使い道があると思います。
構想から部品を選定し測定しながら作った自作品、性能と限界を分かった上で使う分には、これほど重宝する規準器もないと思います。
追加記事
4系統それぞれにFETとトランジスタ1石のアンプを付けました。
独立してレベル調整ができるようにしました。
アンプは、使う場所だけに電源を供給します。
周波数カウンターの較正に使ってゆこうと思います。
アンプ通過後の波形もおおむね安定しています。
周波数は10Mhz、デューティー比は約50%、p-pで0.5Vに調整。
周波数カウンターを較正。
無線局でも測位システムでもない自作の基準器は、電波法の観点からはどうだろうか。
これでも立派な10Mhzの発振器であって、アンテナを付けて変調をかければ放送ができてしまいます。
製作中に測定したスペアナの計測では+1.17dBmでしたが、約1.3mWです。
常時運転では、これよりもう少し絞ったp-p0.5Vですが、どのくらいの出力になるでしょうか。
微弱な電波は普通のパワーメーターでは計測ができません。
RFデジタルパワーメーターです。
ー0.51dBmと表示され、約0.9mWです。
特定小電力無線機のパワーが10mWですが、その1/10という結果です。
しかし、1mWをなめてはいけません。
特小無線機での双方向連続通話でのパワーが1mWですね。
アンテナを付ければ数キロは飛ぶものと思われますが、しかし、これ以下では実用にならないのも事実です。
アンテナは無いので隣の部屋では信号を受信できませんでしたが、1メートル以内では59です。
実験、研究、測定等に使用している標準信号発生器(いわゆるSSG)はもっと大きい信号を発生いたします。
配線図
(クリックで拡大)
希望により配線図を載せます。
GPSユニット ublox NEO-6M
シリアルUSB変換 MFT232RL
ロジックIC TC4069UBP
FET 2SK19GR (2SK192AなどでOK)
TR 2SC1815
BPF AMZ 10.7Mhz
トロイダルコア FT-37-#75
これ、すごいです。私もこの手の発信器が欲しくて、いつもオークションで眺めてます。
周波数カウンターの調整や、最近の無線機には10MHz入力がありますので、そこに入れるとバッチリですね。IC-9700につなげて、FT8もイイかも。
是非、回路図を公開して下さい。または、キット販売して下さい。
コメントありがとうございます。
この規準器のお手本になったのは、2016年2月号のトランジスタ技術に掲載された特集記事です。
回路図はそちらが詳しいですが、私のはだいぶ省いて製作しています。
トラ技の記事どおりに組み立てた場合は、もっと短縮できたかも知れませんが、実際に部品を集めて、他のノウハウを交えて測定しながら形にして行くのにはマル10日間を要しました。
お勧めしません(笑)って言うか、結構な金額になりますし、もう少しお金を出せばオークションなどで出品されているGPSDoと同等くらいになります。
製作自体は楽しくて、作ってみたいという方もあるかと思います。
配線図の公開ですか、間違っているかも知れないですし、どうしようかな。。。
最低限の部品で構成されています。
ひとつでも部品が無い場合は動作しないくらいです。
ありがとうございます。これで我が家のジャン測が精度アップします。
早速、部品調達します。
お忙しいところ、綺麗な図面を作成して頂き、感謝します。
ありがとうございました。
周波数カウンターの較正くらいでしたらOKだと思います。
うまく動作すことを祈っています、ご健闘ください!!