ICOM IC-723

電源投入時、Sメーターが振り切れたままになるとのことでお預かりしました。

ICOMの無線機は、送信・受信の切り替えリレーの不良が多いです。

透明カバーの「MATSUSHITA」製のリレーが接触不良をおこし、受信感度が悪くなります。

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これを交換しておかないと、あとで不調になります。

「MATSUSHITA」製リレーの品番は、DS1-M-DC12Vで、同社のDS1E-M-DC12Vが後継品としてあります。

「OMRON」製 G6E-134P-US-DC12 メカニカルリレー、マルツ電波で入手しました。

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大きさなどは同じです。


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リード足も同じ、接点のパターンも同じです。

加工なしでOKです。

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リレーの取り付け面です。

ホールについている耳垢のようなものは、上のコイルを固めているボンドです。
リレーの穴の方まではみ出ており、これがジワジワと湿気を吸って不調になるのです。

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ボンドを取り去りました。

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リレーの足にもボンドが付いていますね。

必ず不調になるとは限りませんが、予備軍です。

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リレーを交換した状況です。


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アンテナのレセタクタブルを外して、キレイにしました。


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汚れは少ないですね。


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アンテナコネクタに、アルカリ電池からの液もれみたいなのもが付いていました。


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洗浄しました。


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本題の、Sメーターが振り切れてしまう原因の修理です。

Sメーターが振り切れているときは、スケルチもボリュームも効きません。

こうなればSメーターから回路を追ってゆくしかありません。

基板を外して総点検です。

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SメーターのアンプICの付近に、ハンダクラックがありました。

フロントパネルに向かうケーブル部分ですが、ここを触ると音がガツンと鳴ってSメーターが正常になります。 原因はこれです。

画像中央のハンダクラック、見えますでしょうか?

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ハンダクラックです、これなら分かりますね。

基板から浮いています。

ここのコンデンサーは交換しました。

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バックアップメモリー電池の電圧は、2.92Vでしたので交換しました。


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ソケット化しました。

次回から交換が楽にできます。 
20年後くらいでしょうか。

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ファイナルトランジスターです。

この無線機はパワーモジュールではなく、トランジスターなのです。

貴重な 2SC1971 2SC2166が使われています、VHF175MhzまでOKの石です。

このトランジスターを使っているのが分かったら、無線機を盗まれてしまうでしょう。(笑)

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フロントパネルの照明をLED化しました。


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受信感度の測定です。

28MhzのFMでスケルチ開 ー137.6dBm

リレーを交換したので、良好な感度ですね。

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送信出力

28MhzのFMで 20Wです。

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修理完了しました。

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