STANDARD C-8900G 

ボリューム交換のため、お預かりしました。

電源スイッチ、ボリューム、スケルチが1軸になったタイプのものですが、スイッチボリュームの軸が折れ損しています。

ボリュームの交換はパネルカバーを外す必要がありますが、ボリュームの奥にネジがあり、あまりにも奥すぎてネジが回せません。

ネジは緩み止めのボンドでベッタリと固められています。

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ネジを回す専用工具があるのでしょうが、残念ながら持っていません。

ここまでネジが深くにある場合、緩めるのには専用工具でも役に立たないのではないでしょうか。

ペンチ類を総動員させましたが、どれも役に立ちませんした。

ネジの溝に合わせることも、摘むことも出来ませんでした。

いちばん期待できそうなのはピンセットですが、緩み止めのボンドが硬くて回らず全くダメでした。

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仕方ないので、マルツ電波でプロツールなるものを購入しました。

これならボリュームを止めているどんなネジにも対応できそうです。 

gootの製品です。

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先が細くて、これならネジの溝にはまります。

クワガタの角みたいですね。

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シャフトが折れているから少しは短くなっていますが、折れてなかったらニョキっと長いのです。

先が曲がった独特の形状は、長いシャフトでもつかえることなく逃げるためです。

えいッ! 一発です。

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シャフトが折れたボリュームを、ジャンクから取り外したボリュームと交換です。

スケルチ部分の長さが異なっています。

コストのかかった良い作りをしていますね。

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分解してアルコール風呂に入ってもらいました。


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カーボン抵抗体を接点復活剤で洗浄します。

CRCなどを代用で使ってはいけません。

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カーボン抵抗体の酸化膜を除去します、こんなに真っ黒です。

ガリ音もこれで解消です。

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シャフトの交換部品です。

同じですね。。。。ん? ちがうかも。

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全然ちがうではありませんか。

スケルチの高さ、シャフトの段付きを見てください。

シャフトの交換がきかないです。

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端子の足の形もちがいます。


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スケルチの高さがちがうけど、部品のいいとこ取りで2個1にしました。


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受信感度の測定です。

20dBのアッテネータで、ー148.8dBm (20dB NQ)

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送信周波数の測定です。


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送信出力の測定です。

HI 13W
LO 0,5W

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ボリュームの修理が完了しましたが、レストアできるものばかりではありません、良い作りのボリュームでした。 

ガリ音もなしです。

心配だったスケルチの高さも、実用上は問題ありませんでした。

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C-8900「G」タイプは緑色セグメントで、クールですね。