JHGが大好きなTR-751。
Sメータの不具合とのことで、お預かりしました。
送信もパワーが上下して不安定とのことです。
Sメータが小刻みに振れています。

TR-751の内部には余裕があり、大きくてしっかりした部品が使われています。

電解コンデンサーがパンクしていました。
TR-751に使われているコンデンサーで、このようにパンクしたものがある例は初めてです。


いくつかのコネクターを外すだけで、基板が外れます。
メンテナンス作業がやりやすいのも、TR-751の特徴だと思います。

Sメータの針が振れる原因は、気まぐれ天使先生が「ー6V HIC TR不全」という(勝手につけた)症例でオペ済みです。
HICとはハイブリッドICのことで、複数の部品を組み合わせた集積回路です。
先生のカルテがあってのこと、先人の知恵というのはあり難いです。
Q1、Q2、Q3交換です。

Q3 2SA1162
このチップ型のトランジスターはコンプリメンタリというものです。
リード型のトランジスター2SC1815と2SA1015に相当します。
チップ型が入手できなければ上記のもので代替OKですが、取り付けには工夫が必要です。
内部に余裕があるTR-751だから出来ること、ギッシリだったらそういう訳にはゆきません。

チップ型トランジスター

Q1、Q2、Q3交換

HIC取り付け。
交換した電解コンデンサー。
見てのとおり、内部はディスクリート構成なので、最悪でも互換品にて修理が可能です。

Sメータの振れは治りました。
照明はLED化しました。

送信周波数を調整。
高安定水晶ではないのですが、ひじょうに安定しています。
巧みな技術で実現しているのでしょうね、TR-751はこういうところがスゴイのです。

FMデビエーション、規定の4,6Khzに調整。
直線検波器のモニターからは、マイクから入力中の1khz信号(ポーーという音)が際立って聞こえます。
マイクアンプが優秀な証拠で、変調音が良いのはそのせいです。

送信出力
HI 12W
LO 1W
に調整しました。

受信感度の測定。
結果は ー142,6dBm です。
20dBのアッテネータを使っていますので、表示に20を足してください。
受信感度は、Wi-Fiがー80dBmくらい、人工衛生からの微弱な電波を受信するGPSがー140dBm
くらいで、特にGPSの場合はとてつもない小さな値となります。
TR-751の受信感度は定評があり、それ以上の感度です。

大型機にも負けない!
このリグを見つけたら買っておいて損はないでしょう。

今となっては貴重なモノバンド機ですね。
車載でも固定でもちょうど良い大きさと、多すぎない機能です。
2mのSSBで移動運用をするに方にとっては、受信感度も良く、コンパクトで便利です。
このようにコストをかけてモノバンドに特化した無線機をデビューさせたKENWOODには、2mにかけた魂を感じますね。
発売から30年以上が経過していますので、部品も劣化しはじめていますね。
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