アンテンの430Mhzプリアンプ、GRA-720M
動作不良とのことで、お預かりしました。

電源を入れない状態で、入力と出力コネクター間の抵抗が∞大で導通していない状態と同じです。
動作説明図によると、電源が入っていない時はリレー⓵リレー②はスルーになっており、コネクター間の導通がないなどあり得ないはずです。

基盤のパターンを追ってゆくとパターンが何かおかしいのす。
考えてみるとパターンがおかしいのではなく、リレー⓵のスイッチが逆になっており、動作説明図のようにならないのです。
オーナー様から交換用に送っていただいたリレーの型番は全て同じで、接点の向きも同じです。
貴重な高周波リレー G4V-152P

接点を逆にしてしまえ!
リレーを分解し、接点を入れ替えました。

これで、動作説明図のとおりになりました。

送信するとリレーを切り替えてスルーにするキャリアコントロールが動作しません。
ここのパターン(ストリップラインというらしいです)に通過する高周波を青いビニールコードでピックアップします。

ピックアップした高周波をダイオードで倍電圧検波し、直流に変えてスイッチします。

型式不明のゲルマニウムダイオード。
交換のため取り外しました。

同じゲルマニウムダイオードの、とりあえず JRC製 1N270に交換しました。
いい感じです。

ゲルマニウムダイオードで問題があったわけではありませんが、ショットキ・バリアダイオードに交換しました。
ゲルダイより丈夫で、特性も良いと思います。
手持ちの1SS106だったかな。

高周波ラインをスズメッキ線により強化しました。

高周波ピックアップを確実に、スパイラル強化。

強化後、ダイオードの倍電圧を測ってみると。

430の電波から2V以上出ました。
キャリアコントロールのスイッチもOKです。

電解コンデンサーをALL交換しました。

動作テストをしてみると、電源ONではATT状態でOFFのほうが良いです。(泣)
増幅用の GaAs FETがダメかな。
ドレイン電圧 2.7V

ソース電圧 1.3V

SSGにてー20dBmの信号を入力しても、ゲート電圧が0Vのままです。

小さい蜘蛛みたいなものが、GaAs FETです。
回路図がないのでわかりませんが、予想では 2SK571。

シールド版を外しました。
よく見ると手直しされた形跡があります。
交換されている場合、取り付け方向も合っているか疑問です。

GaAs FET
端子はAの文字を正面に見て、上から左周りにS、D、S、Gです。
過負荷がかかるとアッという間に飛んでしまいます。

FETが取り付けられていた場所のチップコンデンサーが破損していました。
正常なものと比較。

測ってみると、1000pFでした。

リードタイプのセラミックコンデンサー1000pFと交換しました。

GaAs FET 2SK571を、代替品のNE76184Aに交換しました。

交換後の効果が良くありませんでした。
FETの取り付け方向を変えてみましたが、どの方向でも同じ状態で効果はありませんでした。

高周波ピックアップの為の青い配線の謎が解けました。
高周波リレー G4Y-152Pについて、プリアンプに元々付いているリレーは、G4Y-152P-MKB 12V で接点が逆の物です。
https://www.fa.moronic.co.jp/data_pdf/
G4Y-152P は、未だeBayで入手可能の様です。MKBの付く方は高額ですね。
コメントありがとうございます。
ヤフーブログだったときの記事ですが、修理に時間を要しても動作しなかったもので、当時の無力感の記憶を思い出します。
段ボールや白いシーツを敷いた上で作業していましたが、今でも大して変わっていません。
入手した者さんが、リレーの困難さに立ち向かっている様子が目に浮かびます。
ご苦労されていますね!
記事が参考になったとのことですが、とんでもありません。
https://www.fa.moronic.co.jp/data_pdf/closed/prdn-1885.pdf
が正しいです。
GRA-2020Mは、MKBの付く方が正しいようで、現状では、接点の状態が良く無いのでこれから届くリレー(MKBでない)の接点を逆転させなければなりません。
またリレーの定格が15Wまでだと判明したのでTR-751Dには使えないので、他のIC-232やFT-4700に使う事にしました。
https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/closed/prdn-1885.pdf
ありがとうございます。