無線機の受信感度のうち、FMについては通常「12dB SINAD」により測定されます。

無線機のスピーカーや外部スピーカージャックからAF信号を取り出しますが、測定器につなぐためのアダプターが必要です。

スピーカーのインピーダンスはほとんどが8Ωですので、8Ωの抵抗を使ったアダプターを自作します。

部品の状況です。 

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抵抗4本をパラレルにして8Ωの負荷を作りました。 
ダミーロードです。

  |ーR1ー|
ーー|ーR2ー|ーー
  |ーR3ー|
  |ーR4ー|

合成抵抗を8Ωにするための抵抗値は、R1 30Ω、R2 30Ω 、R3 33Ω、R4 36Ωにしました。
(1本あたり3Wのものを使いました。)

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測定してみると、ピッタリ8Ωでした。


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無線機の外部スピーカーに流れるパワーは、最大ボリュームにしてもそれほど強くありませんが、感度測定をするときの無線機のボリュームは半分以上回すことがありますので、耐圧には余裕を持たせる必要があります。

無線機に付いているスピーカーからワニぐちクリップなどで並列に信号を取ると大きな音がします。外部スピーカージャックからの信号については、このように8Ωの抵抗を使う必要はなくそのまま測定すればよいです。

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手持ちの430の無線機で、受信感度を測定してみました。

歪率計にて測定。

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SSGにて1Khzの変調をかけ、最大周波数偏移の70%ととします。(3.5Khz DEV)

まず復調信号と雑音と歪が一緒になった(S+N+D)信号のRMS値を測ります。
次に1Khzのノッチフィルターで(S)を除いた(N+D)のRMS値を測ります。
これらの比をとったものがSINADです。
SGからの信号が強ければキレイな1Khzトーンが聞こえますが、弱ければ雑音が混ざり歪んだ音になります。
雑音と歪が全体の信号の中に25%含まれた状態となる比率が4倍差になったときが12dB SINADです。

25%を指示。

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受信感度

ー25.2dBμV(PD)

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12dB SINAD

受信機への入力が減少するに従い、オーディオ出力からは、希望のオーディオ信号は減少してゆき、残留ハム及びノイズは増加してゆきます。

SINADは、この曲線の差です。

12dB SINADを保持するときの、受信機へのRF入力レベルがFM受信機の感度となります。

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この記事にある、READER DISTORTION METER 1701 の使い方についてのコメントをいただきました。

取扱説明書から使用法部分を抜粋した画像を載せます。

コメントの回答としては、「4.1 ひずみ率測定」のところだけで良いです。

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