TR-751は発売から30年ですので、不調が出てもおかしくありません。

お預かりして、まず電源が入りません。

ふたを開けて、コネクターなどを動かしてみると、通電しました。

・ボリュームのガリ、電源スイッチ不調
・パネル電球切れ
・送・受信出来ない

まあ、この状態なら希望はあるかな。

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ボリュームを取り外してみると、修理した跡がありました。

しかし、通したハリガネが締まってないので、パーツ間がグラグラしています。

スイッチを押してもブカブカしており、電源が入らない原因です。

分解してみると、修理すべき場所に手をつけていません。

分解したあと、何もしないで組み立てたのでしょうね。

わかる気がいたします。

ネット上には修理の情報はありますが、簡単そうに見えて、やってみると大変です。

U字ワッシャーを外す工程がありますが、どのような道具を使ったらよいのか解らないでしょう。

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パーツをアルコール洗浄します。

外れてしまった接点を修復。

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接点復活スプレー。


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接点復活剤で、カーボン抵抗帯の酸化膜を取ります。


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アルコール洗浄しても、抵抗帯の酸化膜は落ちません。

このとおり真っ黒ですから、くり返し除去します。

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ガッチリと組み立てます。


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送・受信ともに出来ないのは、共通部分の不具合でしょう。

水晶が発振しなかったり、電源が供給されないなど様々です。

水晶を弾いて刺激を与えると、発振し始めることがあります。

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ハンダクラック、パターン切れを点検します。

あやしいところは修復しました。

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電源を供給するレギュレーターICを点検しました。

古いハンダを取り、新しくやり直しました。

DC12Vを入れて定格8Vの出力を確認、ICは正常でした。

基板に取り付け、安定に動作しています。

送・受信も正常に出来るようになりました。

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パネルライトをLED化します。

電球は交換した跡があり、緑色のゴムキャップがゆ着して破れてしまいました。

硬化して弾力がないので、使うのはやめました。

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バックアップ電池をソケット化しました。

次の交換は20年後くらいでしょうか。

それまでTR-751が現役であって欲しいです、これが意味のあるものだったと信じたい。

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周波数調整。

周波数のズレは、遠くの相手と話すのに影響します。

気分も良いですしね。

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デビエーション調整。

規定の 4,6Khz

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スプリアス良好。

スプリアスの測定結果は気になるところですが、中華製の無線機を測定したときはデタラメで、送信してはいけない状態でした。

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出力

HI 10W
LO 1W

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RFメーター調整。

8を指すように調整しますが、指示はアンテナのマッチング状態によって変わります。

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Sメーター調整。


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受信感度。

ー139,0dBm (SINAD)

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訳あって、白色LED X rayバージョンになりました。

TR-751、851には熱烈なファンが多いですね。

変調の音、受信音ともに良く、自分にも相手にも良い音を聞かせます。

しっかりしたツマミ類はレイアウトも良く、顔つきにあっては斬新すぎます。

一度使ったら虜(とりこ)になる無線機ですね。

愛機が壊れたら、マジで悲しむ人がいるほどです。

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オーナー様、TR-751のコレクションは何台目でしょうか。

白色LEDバージョンもどうぞ。

どんだけ好きでなんですかーーー!(笑)