FT-7900

パワーが出ないとのことでお預かりしました。

FT-7900はVHF・UHFとも一つの共通ファイナルです。

微弱な電波は出ていますので、プリドライブまではOKです。

基板は1枚基板で、タンクコイルやトリマなど、回して調整するところはありません。

イメージ 1

ファイナルのFETは RD70HVF1

Nチャンネル、エンハンスメント・モード MOS FET

FETのドレインに電圧がかかっていませんでした。


イメージ 2


回路図にしたがいパターンを追いかけてゆくと、緑色のレジストが盛り上がってます。


イメージ 3

レジストを剥がしてみると、パターンが焼き切れていました。


イメージ 4

パターンを修復するため、周辺の部品を取ったところです。


イメージ 5

ここには大きな電流が流れることから、太めのスズメッキ線を少し平らにして修復しました。

このパターンが断線したことから、FETのドレインに電圧がかからずパワーが出なくなったのです。

電源を逆接続にしたようですね。

イメージ 6

電源逆接続のため、サージアブソーバーが破損していました。

P6KA18 ツェナーダイオードの一種で、18V以上の電圧はGNDに逃して保護します。

これが破損してパターンが断線するとは、よほどの電圧・電流がかかったと思います。


イメージ 7


サージアブソーバーは、横から破裂してショート状態になっていました。


イメージ 8

交換用のサージアブソーバー。


イメージ 9

破損したパターン周辺の部品を取り付け。

←は交換したサージアブソーバー。

イメージ 10

パワーが復活しました。

HI 40W
MID1 20W
MID2 10W
LO 5W

イメージ 11

周波数。


イメージ 12

イメージ 13

スプリアス良好。

145Mhz

イメージ 14

433Mhz


イメージ 15

受信感度。

ー139,2dBm (SINAD)

イメージ 16

ー138,3dBm (SINAD)


イメージ 17

スペックシールを添付しました。


イメージ 18

各ボタンに割り当てられた機能が分りやすく、操作しやすい無線機です。


イメージ 19