IC-371 送信出来ないとのことで、お預りしました。
電源を入れて、無線機の状態を確認します。
送信どころか受信も出来ない状態ではありませんか。。。
両方ダメでは根が深いですね。
しかし、外部ジャックにスピーカーを繋げたところ音が出るのでスピーカーがNGですね。

側を外すとスピーカーケーブルが外されていました。
これでは音が出ませんね。

オーディオゼネレーターで1Khz、1Vの信号を作りスピーカーに注入。

スピーカーの良否を確認してみると、1Khzトーン信号の音が鳴るのでスピーカーは生きていました。
無線機も受信はOKでした。

送信しても微弱な電波も出ていません。
ファイナルなどに規定の電圧がかかっているか調べます。

送信時8Vの電圧はOKでした。
規定の電圧はきていますね。
確認中にも一瞬ですが普通にパワーが出るときがあります。
これは! プリドライブ、ファイナルともに死んでいないな。
希望が見えた瞬間です。

ファイナル基板の点検。
ハンダクラックの点検、あやしいところは再ハンダしました。
電解コンデンサーを交換しました。

YGRユニット点検。
ハンダクラックの点検、あやしい場所は再ハンダしました。

信号を伝達するケーブルコネクタを点検。
差し込み状態もOKです。

MAIN基板の点検。
ハンダクラックの点検、あやしい場所は再ハンダしました。

送信・受信をコントロールする場所。
STANDBY CONTROL

MAIN基板 Q33

MAIN基板 Q39

Q33点検。

Q39点検。

MAIN基板 Q33まわり及び、IC15 T8V、R8V 電源レギュレーターまわり、
電解コンデンサーを交換しました。

交換した電解コンデンサー、ドライアップ状態です。

パワーが復活しました。
出力10W
LO 1W

RFメーター調整。

この無線機はバックアップ電池が無くなるとCPUのメモリーが消えてしまい、なにも分からない記憶喪失になるとんでもない仕様です。
もしそうなったら、今ではメーカーでも対応してくれないのでレンガにしかなりません。
追加の電池ボックスが付けられており対策がされていました。

FMデビエーション。
規定の4.8Khz

周波数。

スプリアス良好。

受信感度。
ー138.2dBm (SINAD)

ディスクリート部分が多い無線機ですから、汎用部品でまだまだ修理が可能です。
くれぐれも記憶喪失にならずに長く使えるようお祈り申し上げます。

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