SONY ICB-870T チャンネルスイッチ不良のためお預かりしました。


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電池ケースのほうには一切の配線類が付いてこないため、メンテナンス性は良いです。


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受信感度が悪いとのことでしたが、アンテナのネジが緩んでいました。

振動で緩んだのか、製造時から緩んでいたのか、これでは良好な送受信はできません。

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チャンネルスイッチのナットが緩んでいました。

グニャグニャ動いてしまいます。

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基板を分離しました。

チャンネルスイッチを取り外します。

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チャンネルスイッチの状況。

8チャンネルの接触が悪いです。

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スイッチは水晶発振子の基板に取り付けられています。


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取り外しました。


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ALPS製のロータリースイッチです。

特別注文のスイッチで、無制限に回らずに8接点で停止します。

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頭を潰して封をするタイプですが、潰した頭を削ってフタを取りました。


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スイッチにヒビが入っていました。

この部分です。

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バックリと割れました。

ナットも緩んでいたし、接触も悪くて、押したりしてだいぶ負担がかかったようですね。

調子が悪い原因は、接点が浮いていたのかも知れません。

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特殊なスイッチなのでALPSにも部品は無いと思います。

強力接着剤で補修しました。 なんとかなりそうです。

接点復活剤でクリーニングしました。

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頭を削って外したシャフトはもうダメなので、根本から折切断しました。


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折ったシャフトの中心にセンターポンチで穴を開けて。


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ドリルで貫通させます。


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ネジとナットで締めました。


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接点不良は何度でも修理できます。


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組み立て。

CB無線機はチャンネルを頻繁に何回も切替えて、運用中はガチャガチャしっ放しです。

周囲をガッチリ固定されているので大丈夫かと思います。

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ジャギ みたいになってしまった!

by 北斗の拳

Screenshot

受信音が小さいとのことで、オーディオIC周りの電解コンデンサー交換しました。


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電解コンデンサーをオール交換しました。

シールドを貼ってあったところです。

剥がさないとコンデンサーが交換できません。

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なんでしょう? 硬くて苦労しました。


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剥がしたあとの状況です。


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電解コンデンサーオール交換しました。


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調整を実施。

アンテナにメンテナンスケーブルをハンダ付けします。

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少し強めの信号を受信します。


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受信コイルを調整して、


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感度が最大になるように調整します。


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歪のないキレイな音声の波形です。


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周波数。


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送信の調整。

ロッドアンテナを伸ばした状態で送信します。

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ロッドアンテナと平行に設置した電界強度計にて測定。


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送信出力が最大になるように、送信コイル及びアンテナローディングコイルを調整します。

マイナス変調にならないように、ピークパワーが重要です。

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出力。

1Wのパワー計で半分くらいです。 

変調をかけると半分を超えます。

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スプリアス良好です。


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受信感度。

ー118.0 (dBm)

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受信感度のスペックシールを添付しました。


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修理完了しました。

チャンネルスイッチもぐらぐらせず、いいタッチです。

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